世界遺産級泥クズ

一生忘れない・・・・・・・平成25年4月13日

 

 

 
「クボタ4SA」との出会い

 

 

 

 

 

 

 

納屋の片隅に置かれたのは、まぎれもないクボタ4馬力

鳥肌が立った

 

見に行ったその日のうちに引き上げてきた・・・・・・

懸命に引きずり出してきた・・・・・・・

 

その日のうちに回っちゃった・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

あれから8か月・・・・・・・

 

 

 

 

 

あちこち一緒に旅に出た

回すうちに、自然と周りの汚れがボロボロ落ちていったけど、掃除は一切していないので、この汚さは蔵出し状態のママ

フライホイールは始動時に手をかけるので、錆が光ってきた

どこに持って行っても、いいリズム刻んで落ち着いて回ってくれていたクボタ4S

 

 

 

 

 

 

そんな素直なクボタが不調に・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

先日の安曇野ビフ穂高月例会
回し収め運転会ということで、持って行って回していたわけですよ

午前中は、低速で、ゆっくりゆっくり回っていたのですが、午後回し始めると、突然低速が利かなくなった

ふと、マフラーに耳を近づけてみると、圧縮工程の際
「スコーッ」とさわやかな安曇野の空気が排気バルブを通り抜ける音・・・・・

 

要は、バルブにカーボンを噛んで、圧縮漏れを起こしてしまったわけ

プラグ穴からエンジンコンディショナーをぶち込んで、カーボンを溶かそうと試みるも、混合気は虚しく「スコースコー」と漏れるばかり

恐ろしくなるくらい回転を上げてカーボンを吹き飛ばそうと試みるも、スコースコーは直らない・・・・・・・

 

 

高速でただ回すだけなら回っているが、低速は効かない
これじゃあ低速村に行けないじゃないか!

 

 

 

 

もうこうなったら、一度徹底的に整備してやろう!

でも、整備すると、長い年月をかけて積りに積もった世界遺産級の汚れを落とすことになってしまうのではないか・・・・・

 

運転会の帰りは、ずーっとそんなことを考えながら運転してきました

 

 

 

 

帰宅後、とりあえず機械を降ろして眺めてみる

バルブにカーボンを噛んだ4S

修理するには、昭和24年の製造時以降、おそらく一度も開けていないであろうヘッドを開けなければならない・・・・

ヘッドを開けると、ヘッド周りの世界遺産級泥クズが落ちてしまう・・・・・

 

 

 

 

 

う~ん

 

どうしたもんか?

 

 

 

 

 

 

 

プラグ穴からクリーナーを吹き込んで、一晩おいてみるか・・・・

 

 

でも、今まで、ガタには目をつぶって、あえて手を入れず、騙し騙し回してきた感じもするから、この際徹底的に手を入れてやろうか・・・・・・・・・

 

 

 

 

寒い冬のガレージで、じっと対峙すること1時間

 

 

 

フライホイールをそっと手で回すと・・・・「スコー」

 

相変わらず圧縮はなく、甲府の空気も冷やかに通り抜けていった

 

 

 

 

 

 

 

よっしゃやったる!!!!!!

 

 

 

 

意を決してバラし始める

まずは、何十年ぶりかにキャブを外した

気分は遺産修復家

 

 

ヘッドを外そう!

ナットに工具をかけると、世界遺産級泥クズが剥がれ落ちた!

床に落ちた泥をすかさず拾い集めて容器に保管する・・・・・・・

 

 

ロッカーアームが外れた

 

見よ!積りに積もった、この美しい泥汚れを!

いくら高いお金を出しても、この汚れをまとったロッカーアームは作れまい

 

 

 

ヘッドを外す準備が整った

マフラーは固くて取れないから、外さない!

 

昭和24年の製造時から、一度も外していないであろうヘッドは

ブロックと一体化している

 

 

プラハンでコツコツすると、剥がれた

 

 

 

いよいよ、古代遺跡の扉が開かれるッ!

古墳の調査団が石室を初めて開ける時のような?気分!

 

 

 

ヘッドがとれたーーーーー!!!!!!

冷却水の水路から積もった臓物がグヘッと落ちてきた・・・・

 

うーん、カーボンがたまってますねー

 

 

シリンダーもすごいカーボン

でも、想像していたよりはキレイで拍子抜け

そんなに酷くはないんじゃない?

 

 

シリンダーは傷もなく、いたってキレイ!

よかったよかった!!!

 

 

 

 

どうせなら、ピストンも外して掃除しちゃおーっと!

 

 

メ、メタルが・・・・・・

コンロッドのメタルはもうご臨終でした

シムをすべて抜き去ってもガタガタ

クランクが回転するたびにコクンコクンと音がしてましたからね

まぁ、これは減るものだからしかたない

今までよく頑張ったなぁ(涙)

 

 

 

 

 

 

さらに、衝撃の事実が・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピストンを外すと、なぜかリングがポロンと落ちた・・・・・

ピストンリング折れてるじゃん!!!!!!!!!!!

よく、クランクケースに混合気ばかばか吹いてきていたので、リング減ってるな~とは思っていましたが、まさか折れているとは・・・・・・

シリンダーには傷がないので、よかったものの、これは困った・・・・・

 

 

 

 

 

この際だから、クランクの軸受けも調整してやろう!!

世界遺産級泥クズ(当時のもみ殻付き)を極力剥がさないよう、慎重にナットを外す・・・・・・

 

もはや何の部品だかわからないほど積もった泥

玄関先に置いといたら、間違いなく不燃ごみに出されてしまうので、このまま厳重に保管しておくことにする

 

 

 

もちろん、バルブスプリングは釘で止まっている

あっ!?ここが釘に代えてあるってことは、一度バルブ外したな?? ってことは、ヘッドも外したな??

何をやったんだろう・・・・・

 

 

 

圧縮漏れ、スコースコーの原因はコレ!

 

バルブシートにはカーボンの塊がくっついていました

 

 

 

 

そういうわけで、メタル、ピストンリングを作ってもらわなければ前に進めない状況になってしまいました・・・・・・・

 

クボタ4S、しばらくお休みです

外装の汚れはそのままに、機関はきっちり整備して、回してあげたいと思います!!

リングもメタルも新品を入れて、これからもがんばって欲しいと思います

 

また、新たな歴史を刻み始めるのです

 

続く(部品が出来上がったら)・・・・・・・

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世界遺産級泥クズ への8件のフィードバック

  1. 相模のカルイちゃん のコメント:

    外観をそのまま残す整備は、逆に大変だね。剥がれた油泥は、また貼りつけるの?
    バルブを磨り合わせて、ピストンリングを交換したら、圧縮が上がっちゃって低速運転が難しくなるかも。

  2. 神龍 のコメント:

    ついに開けてしまいましたか。
    自分なら、諦めて泥を落としてしまいます。
    リング折れていたんだね。なんでだろう?一本無くても回るから。

    家のもあの場で圧縮が無くなったので(その後回復)そろそろ開封の時期かもしれません。

  3. 会津の爺 のコメント:

     半世紀前まで   負荷をかけられ フル回転で活躍していた 4S  休んでいたのにひょっこり起こされ      楽して低速回転では    コレステロールも たまんべーな

  4. パイオニアラン広報担当 のコメント:

    世界遺産級泥クズ 最高!!
    この感覚・感性が素晴らしい・・・。

    今後もブログ頑張って!
    米国ルポも続けてね・・・。
    低圧縮を取るか完調を取るか、難しい問題だね???

  5. 野良犬 のコメント:

    ハリウッドのカリスマメイクアップアーティストでも再現できないもんな。

    仮に暦年の化粧を落としても誰も責めないからご安心を。 
    あとはテーラーくんが決めればいいんでないかと。

  6. tanabotakubota のコメント:

    この際、徹底的に綺麗にしちゃってみましょう!!!!
    クボタは、ほんといい機械だなぁ(^-^)

  7. タナボタクボタ のコメント:

    世界遺産級泥クズ(当時のもみ殻付き)を極力剥がさないよう

    それ大切なこと、
    歴史を一旦剥がすと、
    どんなに真似ようとしても
    どんなに工夫しても
    その歴史にはならない
    もとの形にならない
    綺麗だけが機械じゃない
    遺跡はなぜ残っているか
    そう、泥がかぶっていたから
    泥は汚れじゃない
    泥はやさしい保護膜(^O^)

  8. 永ちゃん のコメント:

    テーラー青年様
    学業が忙しいのですか?
    その後 様子をしりたいのじゃが。

    頼んだけえね。
    前話したんじゃが父が残しとった耕運機の復活に臨むんじゃ。
    2015年 これ抱負。
    永ちゃん

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